ふるさとのわらべうた「わっしの家の」
ふるさとのわらべうた「わっしの家の」
今月のFMラジオ方言講座のわらべ歌は「わっしの家の」を紹介します。
「私の家(うち)の わっしの木に鷲が三羽ととまった。
わっしが鉄砲で鷲をうったら鷲も私もたんがった(たまげた)」
ことばあそびのわらべうたです。早口ことばで歌うと楽しくあそべます。
ふるさとのわらべうた「煙(けむい)やあっちいけ」
今月のわらべうた「煙やあっちいけ」
毎月第一水曜日、おおすみFMラジオで方言講座とかごしまわらべうた
昔、いろりを囲んで煙が自分の方へくると、手で煙をあおいで「けむいやあっちいけ、うんまんこはこっちけ」と歌って自分のほうへはあったかい火だけがあたるようにしたものです。
ふるさとのわらべうた「ソーダ村の村長さんが」
今月のわらべうた「そーだ村の村長さんが」
「そーだ村の村長さんが」には元うたがあった。童謡「サッちゃん」で知られる児童文学作家の阪田寛夫の詩「そうだ村の村長さん」だ。
「そうだ村の村長さん」 阪田 寛夫
そうだむらの そんちょうさんが
ソーダのんで しんだそうだ
みんながいうのは ウッソーだって
そんちょうさんがのんだソーダは
クリームソーダのソーダだそうだ
おかわり十かいしたそうだ
うみのいろしたクリームソーダ
なかでおよげばなおうまそうだ
クリームソーダのプールはどうだと
みんなとそうだんはじめたそうだ
そうだむらではおおそうどう
プールはつめたい ぶっそうだ
ふろにかぎるときまったそうだ
そうだよタンサンクリームおんせん
あったかそうだ あまそうだ
おとなもこどもも くうそうだけで
とろけるゆめみてねたそうだ
「そうだ村の村長さん」の替え歌は、「まだ葬式なんかないそうだ」「葬式饅頭うまそうだ」「明日の葬式、忙しそーだ」など、村長さんが死んだという前提で様々なバリエーションで歌われており、その後の葬式にまで話が進んでいる例が多くみられる。
ことばあそびの替え歌では亡くなってしまった村長さんだが原詩の「そうだ村の村長」さんの「みんながいうのは ウッソーだって」と続いており、村長さんは生きている。
3月ラジオ方言講座 わらべうた「ちょっと通してくだしゃんせ」
3月FMラジオ方言講座
方言基礎講座から:「ごっとい千貫」:「ごっとい」は「ごっそり」であり、「千貫」は「千両の大金」という意味。建物などが傷んできたとき、ほんの少しのお金ですむと思って人に頼んだら大金をごっそり取られてしまった。このようなことがないように、工事や修理を頼むときは、事前に十分に検討しなければならないという戒めのことば。
「ぼっけな」「ぼっけもん」:胆のすわった人。大胆かつ楽天的な人。薩摩狂句の「木強者(ぼっけもん)刀ン尖端(かたなんさっ)で髭を剃っ(ひげをそっ)」(森艶亭)の句は有名である。「冒険者」「大気(おおけ)者」「木強者」「武家者」「武っ家者」「没計者」「呆気者」等、多説ある。
ぼっけな人の人物像は「西郷どん」(せごどん)
ふるさとのわらべうた「ちょっと通してくだしゃんせ」:
全国的には「通りゃんせ」のわらべうたで歌われていますがかごしまには「ちょっと通してくだしゃんせ」という名前のわらべ歌で歌われています。(かごしまわらべうた 久保けんお採譜より)
ラジオ方言講座「しょゆ、ぎった、きんごきんご、」 ふるさとのわらべうた「いもにんじん」
毎月第一水曜日「あっくんのラジトモ」は方言講座
※しょゆ…そゆ:しょうゆの意味ではありません。招待、饗応、馳走
例「御前家(ごぜんけ)しょゆ)」
:「ショユと下い坂は走れ」宴席に招待されたら、下り坂を走り下るように走って行きなさい。遅れるとよい座席がなかったり、せっかくのご馳走も冷えてしまったりするから遅れないように急いで行きなさいということわざ。「ショユは一番ジョユ、風呂は二番風呂」宴席に招待されたらさっさと行くべきだ。早く行くとご馳走が食べられるが、遅れて行くと残り物しかなく、ろくな食べ物しか食べられない。風呂は二番風呂に入る方が熱くもなく、ぬるくもない、いい湯加減な風呂に入ることができるという生活の知恵のことわざ。
※ぎった:ゴム。ぎったまい(ゴムマリ)。
馬来群島に産するゴムをマレー語で「グッタベルチャ」といい、それを略して「グッタ」、さらになまって「ギッタ」と伝わったという説。
消しゴム →消しギッタとはいわない。
ゴム風船 →ギッタ風船とは言わない
※これらの物がはやり出した頃は、すでに「ギッタ」ということばはほろんでしまっていた。しかし、近年でもつかわれる場面を耳にすることがある。
肉のホルモンを食べて固くてかみきれないときなど「ギッタをかんじょいごやい」という使い方をする。
「 いっぽぎった」:(偏屈者、かたよった考えの人)の「ぎった」の語源は一方聞き(一方聞きの訛り)でゴムの意味はない。
※今月のふるさとのわらべうたは「いもにんじん」
五木の子守唄
おおすみFMラジオ12月「方言講座とわらべうた」
今月のふるさとのことばは
「ものごちゃイワシ 遠慮はすいめ」や「きぞがわり」のことわざや慣用句をクイズにして楽しみました。
今月わらべ歌は「五木の子守唄」
五木の子守唄は五木村が発祥で70余の原曲がありますが、1950年(昭和25)古関裕而が編曲した「五木の子守歌」は、10年間、NHKラジオのおやすみ番組の電波にのり、全国に広まり、鹿児島でも歌われました。
古関裕而採譜による五木の子守唄楽譜
五木の子守唄歌詞
“おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ヤおらんど 盆が早よ来りヤ 早よもどる”
『私は、盆までの約束で、この家へ奉公に来ているのです。盆が来りや、家に戻れれるのです。早く盆よ、来てくれ』と家へ帰れる日を待つ気持ちが歌われています。
“おどまかんじんかんじん あん人達アよか衆 よか衆よか帯 よか着物”
『私は、勧進(物乞い)みたいです。でも(奉公先の人たち)ここの人たちは良い着物を着て立派な帯を締めて、幸せだなあ』と羨む気持ちが歌われています。
スタジオ放送風景
おおすみFMラジオスタジオ風景12月7日放送
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五木の子守歌関連資料
2016年11月14日、「五木の子守唄」の歌碑のある五木村を訪ねました。歌碑前に立つと堂坂ヨシ子さんが唄う正調「五木の子守右唄」を聞くこたができます。
堂坂調五木の子守唄楽譜
五木の子守唄の歌詞
五木の子守唄は、どれが一番でどれが二番というものではなく、また、どれが元唄なのかはっきりしていない。唄の内容は奉公先の辛さや子守の辛さを唄ったものが多い。
♪おどんがうっちんだちゅうって 誰が泣いちやくりゅきや 裏の松山 蝉が鳴く”
♪“蝉じゃござらぬ 妹でござる 妹なくなよ 気にかかる”
♪“おどんが打死んだなら 道ばたいけろ 人の通るごち 花あげる”
♪花はなんの花 ツンツン椿 水は天からもらい水
♪おどんが お父っアんな あんやみゃ おらす おらすともえば いこごたる
♪ねんねした子の 可愛さ むぞさ おきて泣く子の つらにくさ
♪おどまいやいや 泣く子の守りにゃ 泣くというては 憎まるる
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五木村歌碑
「五木の子守唄」歌碑前で
ふるさとのうた「がねといのうた」
鹿児島のわらべうた「がねといのうた」
介護職員初任者研修の対人援助音楽療法とコミュニケーションで手話音楽やかごしまのわらべうたを楽しみました。「がねといのうた」を紹介します。
1,おいどんが ちんけときゃよ がねといけ いっごったよ
がねは といださじよ ねて もどったよ
2,おいどんが ちんけときゃよ いおついけ いっごったよ
いおは といださじよ ねて もどったよ
3,おいどんが ちんけときゃよ ガラッパみいけ いっごったよ
ガラッパは みださんじよ ねて もどったよ
※かごしまみんなのうた(評価問題研究所)は鹿児島民謡として紹介している。
尚、薩摩兵児謡「士魂」の兵児謡愛吟歌には次の歌詞で紹介している。
「あたいがちんけ時きゃ ガネ取いけまかした
ガネは取いださじ 泣てもどした」
がねといの歌動画